合コンへ行こう!(リアクション)


合コンへ行こう!

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10月の終わりごろ、秋の深まりを感じさせる冷たい空気。温もりの恋しい季節になってきた。
温泉の宴会部屋の一室で、それは行われようとしていた。
合同コンパ。男女数名が、それぞれの秘めたる想いを胸に、この今戸温泉旅館に集結していた。
これは、かれらの激動の数時間を描いた群像劇である。というのは冗談で、ただの飲み食いしてゲームしてはっちゃけるだけのわちゃわちゃ物語である。 

 猫島中学校の教室。放課後、すっかり生徒たちは退散し、誰も座っていない椅子が夕暮れの寂しさを引き立てる。そこに白草朱乃がひとり、帰り支度をしていた。
同好会でのフェンシングの練習を済ませて、忘れ物を思い出して教室に取りに来たのだ。
「ふう、うっかりですわ」
忘れ物を鞄にしっかりと入れた事を確認して、ほっと一息。のはずが、慌ただしい音に朱乃は鞄を落とした。
「あー良かったーー!誰かいた!」
「ひあ!?だ、誰ですのっ!?」
驚いて振り向くと、知り合いの姿だった。真正直生。この教室の生徒。つまり、朱乃のクラスメイトだ。いつも快活で直な少年だ。
「あら、真正君。どうしましたの?」
落ち着きを取り戻しながら、鞄を優雅に拾い、直生に振り向く。
「あ!白草さん!丁度いいところに居た!白草さん、合コン行かないかい?」
思わぬ誘いに朱乃はびっくりして、折角拾い上げた鞄を再び落としそうになった。
「合コンですの?中学生が行っても大丈夫なのかしら?」
「大丈夫だよ!親睦を深める会らしいから、一緒に行こうよ!同じクラスなのに、白草さんとはあまり話した事ないしさ!」
 あまり話した事ない女子を合コンに誘うのもどうかと思う。合コンが良く分かってないらしい。でも友達を作る絶好の機会。せっかくだから参加しますの。と、朱乃は答えた。
「じゃあ行こう!はいこれチラシ!」
と合コンのチラシを手渡される。順序が逆な気もするが、朱乃は笑顔で受け取った。
合コン……はじめてが多すぎる。
どんな方たちがいるのかわくわくします。皆さんと仲良くできればいいのだけど。

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  • 最終更新:2015-09-26 15:40:01

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